うさぎの数え方の不思議
通常、動物は大きい動物の場合、1頭、2頭といいますし、犬猫でも1匹、2匹と言います。うさぎも単純に1匹、2匹と数えても良さそうなものですが、昔から日本ではうさぎを鳥のように一羽、二羽と数えています。
なぜ、うさぎを一匹、二匹ではなく、一羽、二羽と数えるのだろうかと不思議に思われる方も多いでしょう。
なぜうさぎを一羽、二羽と数えるのか
古くから、うさぎは狩りの対象となっており、特に海に面していない山の中などでは日本人の貴重なタンパク源でした。今では、うさぎを食べるような人は日本ではほとんどいませんが、ヨーロッパなどでは現在でもうさぎのソテーなどが普通に食べられています。
日本は昔から仏教を重んじてきた国です。仏教では、4本足がある獣を食べてはいけない事になっています。鳥や魚などは良いのですが、豚や牛、馬、うさぎは4本足なので食べてはいけません。
しかし、昔は日本人も貧しく、特に山間部に住んでいた方は、そういう仏教の教えも伝わっていない事が多かったのか、仏教を信仰していた人でも、一羽、二羽と数えることで、うさぎは獣ではなく鳥だと思い込みたかったのかもしれません。
料理の仕方次第ではとてもおいしく食べられるうさぎなだけに、仏教の教えに背いても食べたいと思ったのかもしれません。そのような思いから、うさぎは「獣ではなく鳥だから食べられる」という理屈で、一羽、二羽と数えるようになったと言われています。
ペットとして人気が高いうさぎですが、その数え方にはそんな日本人の生や食事に対する執念が感じられます。
また、うさぎは兎鷺と書かれることがあります。鷺は鳥のさぎなので、このことからうさぎを一羽、二羽と数えると言う説もありますが、事実かどうか確かめることはできません。どちらかというと、仏教の教えに背いて4つ足のうさぎを食べるための方便だったという説のほうが有力に思えます。